【自己破産】リストラがきっかけで住宅ローンが返済不能に。自宅を手放し、再出発を果たした事例

ご相談前の状況

ご相談者様は、長年にわたり真面目に働き続け、安定した収入を得てご家族を支えておられました。マイホームを購入し、こつこつと住宅ローンを返済する堅実な日々を送られていました。

しかし数年前、勤務先の業績悪化に伴うリストラ(早期退職)で、状況は一変します。

まとまった退職金は受け取ったものの、再就職活動は思うように進みませんでした。退職金は住宅ローンや教育ローンの返済、そして日々の生活費であっという間に底をついてしまいます。

やむを得ず、生活費のために金融機関から借入れを開始。しかし、パートタイマーとして得られる収入は以前と比べて大幅に減っており、返済のために別の金融機関から借りるという、いわゆる「自転車操業」の状態に陥ってしまいました。

債権者からの督促の電話や手紙に精神的に追い詰められ、ついには住宅ローンの返済も滞り、ご自宅は競売にかけられ手放さざるを得ない状況に。心労が重なりご家族との関係も悪化し、まさに八方ふさがりの状態で当事務所の扉を叩かれました。

ご相談のポイント:免責不許可事由のない、誠実な破産申立て

今回のケースでは、前回の事例で解説したようなギャンブルや浪費といった「免責不許可事由」は一切ありませんでした。

借金の主な原因は、会社のリストラというご自身の責任ではない出来事による収入の激減と、それに伴う住宅ローンや生活費の不足です。

このように、真面目に生活していても、予期せぬ出来事で多額の負債を抱え、返済が立ち行かなくなることは誰にでも起こり得ます。このような状況に陥った方のために、自己破産は「人生を再スタートするため、法律で認められた正当な手続き」として存在します。

本件のポイントは、破産に至った経緯を裁判所へ誠実かつ正確に説明し、速やかに手続きを進めることでした。

当事務所のサポート

ご本人様は長年の社会人経験で培われた責任感から、「借金を返せないのは自分の責任だ」とご自身を責め、大変憔悴しておられました。当事務所では、まずそのお気持ちに寄り添うことから始めました。

  • 精神的負担の軽減: ご依頼後、直ちに全債権者へ受任通知を送付。これにより、ご本人様への直接の連絡がすべて止まり、督促に怯える日々から解放され、落ち着きを取り戻していただきました。
  • 手続きの全体像と見通しの説明: 自己破産の手続きの流れ、必要な書類、期間などを分かりやすくご説明し、「やるべきことを一つずつ進めれば、必ず生活を再建できる」という見通しをお示ししました。これにより、先の見えない不安を解消しました。
  • 煩雑な書類作成の代行と申立て: 裁判所へ提出する必要がある多数の書類の作成や、過去の取引履歴の取り寄せなどを当事務所が代行し、ご本人様の負担を最小限に抑え、迅速に破産手続開始の申立てを行いました。

結果

申立て後、手続きはスムーズに進行し、無事に免責許可決定が下りました。

これにより、住宅ローンをはじめとするすべての負債の支払義務がなくなり、ご相談者様は経済的なプレッシャーから完全に解放されました。

現在は新しい住まいでパート勤務を続けながら、身の丈に合った穏やかな生活を取り戻し、人生の再スタートを切られています。

弁護士からのコメント

会社の倒産、リストラ、病気やケガによる離職、ご家族の介護など、誰の身にも起こりうる出来事をきっかけに、住宅ローンの返済が困難になるケースは決して珍しくありません。

多くの方が「家だけは手放したくない」「真面目に返してきたのに」という思いから、ギリギリまで無理を重ね、かえって借金を増やしてしまいます。

自己破産は「終わり」ではなく、新しい生活を始めるための「リセットボタン」です。ご自宅を手放すことになったとしても、経済的な苦しみから解放され、精神的な平穏を取り戻すことの方が、人生全体で考えれば遥かに重要かもしれません。

返済が少しでも「苦しい」と感じたら、手遅れになる前に、どうかお一人で悩まずにご相談ください。ご状況に応じた最善の解決策を一緒に考えましょう。