【自己破産】多額の負債を清算し、生活を再建したケース
【概要】 本事例は、多額の負債(主に住居関連ローン)を抱え、複雑な家庭環境の変化や体調不良、最終的な失職により支払不能に陥った方が、破産手続開始申立てを行うことで、債務を清算し生活を立て直す機会を得たケースを抽象化したものです。債務増大の複雑な経緯と、一部裁量免責の対象となりうる行為があったものの、その反省と適切な対応を示すことで、裁量免責を求めるに至りました。
【申立て前の状況】
• 申立人の経歴:
◦ 現在は無職(直近に退職)。
◦ 過去には複数の勤務先で就業経験があり(数年間は正社員として中程度の月収、その後はパート勤務で低程度の月収)。
• 家族状況: 複数回の婚姻・離婚歴があり、別居の子が数人います。
• 住居状況: 現在は民間賃貸住宅で独り暮らし。
• 債務増大の経緯:
◦ 住居関連ローン: 約20年以上前(平成11年)、家族居住用の物件を購入するために高額なローンを組みました。当初は安定して返済していましたが、途中で月の返済額が増加し、家庭環境の変化(離婚など)により家計収入が減少したことで返済が困難になりました。
◦ 体調不良と任意売却: 約数年前(令和元年)、体調を崩し入院したことをきっかけに、ローンの支払いが滞るようになりました。そのため、不動産の任意売却を行い(令和2年)、一時的に返済を継続しましたが、オーバーローン状態であったため債務が残りました。
◦ 失職による支払不能: 直近(令和7年)のアルバイト先の退職により収入が途絶え、残っていた債務の返済が全くできなくなり、支払不能に陥りました。この時点での月々の約定返済額は合計約9万円でした。
• 借金の理由と返済不能のきっかけ: 主な理由は住居関連ローンであり、収入に見合わない返済金額、そして最終的には失職が返済不能の決定的なきっかけとなりました。
【申立て後の対応】
• 失職により返済ができなくなったことから、弁護士に相談し、受任通知を発送後、破産手続開始申立てを行うに至りました。
• 申立人は、債権者への迷惑を深く反省し、生活再建の機会を求めています。
【免責不許可事由に関する報告と対応】
• 浪費等・廉価処分・詐術・過去の免責等: いずれも「無」
• 偏頗行為: 申立て直前、特定の親族に対し、少額の借入金を弁済したという偏頗(へんぱ)行為がありました。
• 裁量免責され得る事情: 申立人は、他の債権者を害する意図はなかったものの、安易に身内だけに返済してしまったことを深く反省しており、今後はこのようなことのないよう申立代理人からも厳重に注意されました。現在、当該親族との間に相互の債権債務はありません。この反省と状況が、裁量により免責され得る事情として報告されました。
【結果】
上記の経緯と報告に基づき、破産手続開始の申立てが行われました。本申立てを通じて免責許可決定が下されることで、申立人は多額の負債から解放され、新たな生活を再建するための道筋がつくこととなりました。

