会社が破産したら…顧客にどのような影響があるのか？

会社が破産手続きを行う際、取引先や従業員だけでなく、顧客にも影響を及ぼすことが少なくありません。破産する会社としては、顧客に対しても責任を果たす必要がありますが、破産手続きにおいては制約が多く、すべてに対応できるわけではありません。

ここでは、破産手続きを進める会社の立場から、顧客に関する影響と対策について整理してお伝えします。

破産に伴い、基本的に新たな商品やサービスの提供は中止されます。また、すでに予約されているサービスも原則として中止されるため、これまでのお取引や契約が履行されなくなるケースが一般的です。

今後の購入・サービス利用: 破産手続き開始後は、新たな商品販売やサービス提供は原則として行えなくなります。
予約済みのサービス: 既に予約されているサービスも、提供ができない場合がほとんどです。ただし、破産管財人が事業を一時的に継続する判断をした場合や、他の会社が事業を引き継いだ場合には、例外的にサービスが継続される可能性もあります。

お客様が商品やサービスの代金を前払いしている場合、その返金は難しいのが現状です。破産手続きでは、債権者として顧客も他の債権者と同じ扱いとなり、優先度の高い債権から順に支払われます。顧客が前払い金を回収するためには、債権者として破産手続きに参加し、配当を受けるための手続きを行う必要があります。

破産手続き開始前に購入された商品の返品や交換は、基本的にお受けすることができなくなります。ただし、購入された商品に不具合や欠陥がある場合など、法律で認められる権利がある場合は、破産管財人と交渉の余地が残ることもあります。

商品やサービスに関する保証も、会社の破産により影響を受けることがあります。

メーカー保証: 商品にメーカー保証が付いている場合、会社が破産しても、メーカーに直接保証を請求できる可能性があります。顧客にはメーカーに問い合わせをしてもらう対応が必要です。
販売店独自の保証: 破産した会社が提供していた独自の保証は、破産手続きにより効力を失う場合がほとんどです。保証の有無や手続きの詳細は、破産管財人が管理するため、顧客には状況の確認を依頼する必要があります。

オンラインを通じて提供されているデジタルコンテンツやサービスも、破産の影響を受ける可能性があります。

デジタルコンテンツ: 音楽や電子書籍などのデジタルコンテンツは、会社が破産してもサーバーが維持されている限り利用可能です。しかし、サーバーが停止されると、利用が制限される恐れがあります。
オンラインゲーム: オンラインゲームサービスは、破産に伴い終了する可能性が高く、ゲーム内のデータやアイテムも失われることがあります。
サブスクリプションサービス: 月額や年額で提供しているサブスクリプションサービスは、破産によって解約され、サービスが停止します。

会社が破産した場合、顧客への影響は多岐にわたります。特に、前払い金の返金や保証の請求など、顧客にとっても複雑な手続きが必要となります。破産手続きの進行状況や顧客の権利については、破産管財人や関係者と十分に情報共有を行い、顧客対応を誠実に進めることが求められます。